陶磁郎 44号[2005年10月16日発売]
第二特集◆やきものの現在VII
これからの美濃
美濃の風土は、美しく、楽しい。そして、広い。
五人の陶芸家を取材したが、
それぞれに、自分のやきもの、美濃のやきものへの思いを
語ってもらった。
「これからの美濃」。その可能性を、拓きたい。

各務賢周[かがみまさかね] 青葉炎[あおばほのお]

座談会◆美濃のやきもの、自分のやきもの
若尾経――考えてみれば、もともと美濃はかなりいい加減で、目指していたものとは違うものをつくり上げているわけです。たとえば志野なんか、白いやきもの、白磁に憧れてつくったといわれていますけど、目指しているものとは違ってしまった。でも、それでもよしとしてしまおうというのが、美濃というところの風土です。だからいまのやり方に、つまり美濃以外の土を使うことへの抵抗はないですね。

入澤――いきなり、結論めいたことに入りましたけど、皆さんもそうですか。もぐさ土であれ五斗蒔土であれ、実際に美濃の原土に触ってみると、実感として気持ちいいんですね。そういう感触が僕にはありますけど、なぜ、美濃にいるのに美濃の土というところにいかないんでしょうか。徹さんは、どうですか。

鈴木――美濃という地域を意識したことは、まったくないですね。よく、なぜ織部といわずに緑釉なんですか、って聞かれるんですよ。織部をやっている方はたくさんいらっしゃって、僕はいままでになかった織部、まったく新しい緑のやきものをつくりたいから、といっているんです。ですから、美濃のやきものと呼ばれるより、新しい緑の釉薬、見たことがないような釉だ、やきものだ、といわれたい。そういう思いが、一番強いですね。

若尾経[わかおけい] 鈴木徹[すずきてつ] 若尾誠[わかおまこと]

若尾誠――断然、大好きです。(中略)やりようによっては本当に面白いと思うんですけれど、……ですね。

入澤――でも、いまはやりたくない。

若尾誠――うーん、たぶんやりたいと思う時期がくるんじゃないかなぁ。昔の窯跡を何度も回りましたけど、陶片を拾い上げてはこんなのを焼いていたのかって、感動しっぱなしでしたから。

鈴木徹――私も、桃山期のものは凄いと思いますね。(中略)何べん見ても凄い。あそこから学ぶものは多いと思いますね。
「卯花墻」なんて、見る位置や角度によってそのつど形が違って見えて、そのたびに新しい発見がある。凄い茶碗だなぁと思います。確かに凄いとは思いますけど、いま自分でつくろうという意志はまだないです。それよりも、自分としてやりたいことがいろいろありますからね。でも、いずれはそういう茶碗もつくりたいという時期がたぶんくると思います。

若尾経――僕も桃山の美濃は、好きですね。ただ、全部ではないですけどね。

入澤――あえていえばどういうものですか。

若尾経――皆、同じになっちゃいますよ(笑)。

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丹波壺と丹波桐文壺。
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