若尾経――考えてみれば、もともと美濃はかなりいい加減で、目指していたものとは違うものをつくり上げているわけです。たとえば志野なんか、白いやきもの、白磁に憧れてつくったといわれていますけど、目指しているものとは違ってしまった。でも、それでもよしとしてしまおうというのが、美濃というところの風土です。だからいまのやり方に、つまり美濃以外の土を使うことへの抵抗はないですね。
入澤――いきなり、結論めいたことに入りましたけど、皆さんもそうですか。もぐさ土であれ五斗蒔土であれ、実際に美濃の原土に触ってみると、実感として気持ちいいんですね。そういう感触が僕にはありますけど、なぜ、美濃にいるのに美濃の土というところにいかないんでしょうか。徹さんは、どうですか。
鈴木――美濃という地域を意識したことは、まったくないですね。よく、なぜ織部といわずに緑釉なんですか、って聞かれるんですよ。織部をやっている方はたくさんいらっしゃって、僕はいままでになかった織部、まったく新しい緑のやきものをつくりたいから、といっているんです。ですから、美濃のやきものと呼ばれるより、新しい緑の釉薬、見たことがないような釉だ、やきものだ、といわれたい。そういう思いが、一番強いですね。 |