陶磁郎 45号[2006年1月16日発売]
第二特集◆二人の陶芸家と歩く、新しい備前 備前はいまも、本当に人気のある窯場である。どこにそれほどまで、人を惹きつける魅力を備前はもっているのだろうか。土の風合いを生かした、焼締だからか。今回は、二人の陶芸家に、若い陶芸家たちをめぐってもらった。

大澤恒夫[おおさわつねお] 伊勢崎晃一朗[いせざきこういちろう]

■200年後には、土は変わっているかもしれない。にもかかわらずそのとき、備前というのはあるんでしょうか。

伊勢崎――何か備前の歴史というか、つくり手が、スピリットを背負っているかどうかだと思うんですけれど。
大澤――備前の歴史を見ると、時代ごとに形は違っているし、土も焼きも違うんですよね。やきものは時代を反映するといわれるように、桃山の下剋上の時代のものは、甕(かめ)や壺にしても、擂鉢(すりばち)にしても、力が漲っている。幕末になるとどこか弱さを感じたり、そういうことはあります。
 いまの時代も、何百年か経って振り返られたとき、「あの時代は誰も彼もがやきもの屋になれて、すぐに『先生』と呼ばれた時代で、だから作(さく)が甘い」といわれるかもしれない。僕はそういわれるような作品をつくりたくないから、下地をしっかりしたい。それが、古陶なんです。

大森礼二[おおもりれいじ]
大澤――造形の上手さはもちろん、古備前的な土味を出そうと、土づくりや窯焚きにこだわっている。そのことが、作品にも現れています。
藤原 康[ふじわらこう]
伊勢崎――降灰を積極的に生かす登窯と、灰が降らないように気をつけて焚く塩窯は、素地のつくりかたからすべて正反対のものです。
柴田好浩[しばたよしひろ]
大澤――どこに置いたらどのような効果が出るのかを計算しつくしている。彼のような窯詰めは、真似しようとしてもなかなかできません。

近藤正彦[こんどうまさひこ]
伊勢崎――スケッチをせずに、つくりながら作品のラインを決めていく作陶方法にも、共感するものがあります。
坂本 亨[さかもとあきら]
大澤――家で気がつくといつも手に取るのが、7年前にもらった坂本さんの湯のみ。それだけ、手になじむんです。

陶磁郎 45号 紙面1 陶磁郎 45号 紙面2 陶磁郎 45号 紙面3 陶磁郎 45号 紙面4 陶磁郎 45号 紙面5
創刊10周年特別企画◆
『陶磁郎』誌上ギャラリー

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